【テニス】ここが面白い!「もっとダブルスを観よう!」

こんにちは。

最近の日本テニス界には明るい話題が多いですね。
今日は錦織圭がデルポトロを破ってシティオープンでベスト8に進出しました。先の芝シーズンでは杉田祐一がATPツアー初優勝、ウィンブルドン2回戦進出を達成。また女子ダブルスでは二宮真琴がベスト4に進出しました。
錦織の登場によって日本でもプロテニスが一段と注目されるようになってから数年、女子シングルスでは土居美咲、奈良くるみ、日比野菜緒がWTAツアーで優勝しました。また、日比万葉もグランドスラムの予選を勝ち抜いて本戦に出場しています。そして女子ダブルスでは青山修子のウィンブルドンベスト4進出(2013年と少し前ですが)、そして今年の全豪オープンでは日本人ペアの加藤未唯・穂積絵莉がベスト4に残りました。
女子では世界の舞台で活躍して注目を浴びる選手が単複で出てきている一方で、男子シングルスの注目度に比べてダブルスのそれは低いと言わざるを得ません。錦織圭の台頭以降、男子ダブルスを中心にプレーをする有名選手が現れていないことが原因かと思います。日本人選手としては鈴木貴男・岩渕聡の後に続くATPツアーダブルスの優勝者は出ていません。また、地上波でもシングルスの放送が中心でダブルスの放送はほとんどないことも注目度が今一つ上がらない要因でしょうか。

今回はこのような状況を鑑みて、ダブルスの面白さを語っていきます。男子選手の例がメインになりますが、僕の好みに応じて女子選手の名前も出していきたいと思います。

● シングルスで強い選手とダブルスで強い選手は異なる

まず、以下のATPランキングを見てください。
男子シングルス(2017731日付)
1 アンディ・マレー(スコットランド)
2 ラファエル・ナダル(スペイン)
3 ロジャー・フェデラー(スイス)
4 スタン・バブリンカ(スイス)
5 ノバク・ジョコビッチ(セルビア)
6 マリン・チリッチ(クロアチア)
7 ドミニク・ティエム(オーストリア)
8 アレキサンダー・ズベレフ(ドイツ)
9 錦織圭(日本)
10 ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)

誰もが知っているスーパースターばかりです。少しテニスを知っている方であればほとんどの選手がどんなプレーをするかというところまで想像できることでしょう(ティエムとズベレフは日本における知名度はまだあまり高くないかもしれません。)ランキングトップ10以下に目を向けてみても、ファン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)やグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)など知名度の高い選手がたくさんいます。

 では続いて、ダブルスのランキングを見てみましょう。
男子ダブルス(2017731日付)
1 マルセロ・メロ(ブラジル)
2 ヘンリ・コンティネン(フィンランド)
3 ジョン・ピアース(オーストラリア)
4 ルーカス・クボット(ポーランド)
5 ジェイミー・マレー(スコットランド)
6 ブルーノ・ソアレス(ブラジル)
7 ボブ・ブライアン(アメリカ)
7 マイク・ブライアン(アメリカ)
9 ニコラス・マユ(フランス)
10 イワン・ドディグ(クロアチア)

みなさん、名前を知っている選手はいますでしょうか?5位のジェイミー・マレーはアンディ・マレーのお兄さんです。また、7位のブライアン兄弟は長年ダブルスのスペシャリストとして活躍している双子のペアですね。
ランキング上位に顔を出している選手がシングルスとダブルスで異なるということは、活躍するのに必要なプレーが異なるということです。ダブルス専門のプレイヤーは基本的にサーブ&ボレーを軸にして戦う一方で、シングルスはストローク中心です。
試合数が少ない芝のシーズンではシングルスプレイヤーがダブルスに出場することもありますが、上位まで勝ち上がる例は多くありません。デビスカップなどではシングルスを中心にプレーする選手がダブルスにも出場し勝利を挙げることもありますが、シングルスで強いプレイヤーがそのままダブルスに出ても強いわけではないというのが面白いところだと思います(ちなみにシングルスでグランドスラム優勝回数歴代2傑であるフェデラーとナダルはそれぞれ北京五輪とリオ五輪でダブルスの金メダルを獲得するなど単複共に高い能力を発揮しています)。

● ベテラン選手が活躍できる

先日のウィンブルドンではフェデラーが35歳で優勝し、最年長優勝記録を塗り替えました。テニスの選手寿命が延びてきており、いわゆるBIG44人とも30代になりましたが、それでも35歳にしてシングルスで活躍するのは難しいことなのです。その証拠にフェデラーと同年代で長年トップ10の座を守り、BIG4時代にATP1000優勝とランク3位を記録したダビド・フェレール(スペイン)もここ2シーズンで急激にランキングを落としています。また、アンディ・ロディック(アメリカ)もすでに引退してしまいました。
それに対してダブルスではリンダ―・パエス(インド)やダニエル・ネスタ―(カナダ)に代表されるように、40代の選手が大活躍しています。パエスの男子ダブルスにおけるグランドスラム初優勝は1999年、最後の優勝は2013年と足掛け15シーズンにわたって優勝を記録していることになります。ブライアン兄弟も2017年で39歳になりましたが、トップ10をキープし続けています。また、女子選手でも10代でグランドスラムシングルスを制したマルチナ・ヒンギス(スイス)が近年ダブルス中心に復帰しグランドスラムを制するなど、ベテランプレーヤーの活躍が見られます。

基本的に1人のプレイヤーの守備範囲が半面で、平均ラリー数が短いダブルスはシングルスと比べると運動量が非常に小さくなるのがダブルスプレイヤーの息が長い大きな要因なのは間違いありません。(※女子ダブルスでは長いストロークラリーもあるため、この要因は男子ダブルスにおいてよく当てはまるものだとお考えください。)ただ、フィジカルで相手を押すことができない以上、相手を動かすにはどんなボールを打てばよいか、いいポジションに入るにはどうしたらよいか、ペアに決めさせるにはどこに打てばよいかなど、戦略的な要素がダブルスで非常に重要です。そして、ネット前でプレーすることが多いダブルスにおいてはとっさの戦略的判断が多くなるため、プレイヤーとしての経験値で差がつく部分もあるでしょう。これがベテラン選手もダブルスで活躍できる大きな要因だと僕は考えています。

● 戦略の幅が広い

先ほどダブルスはサーブ&ボレーが中心に試合が進むと書きました。それに加えて、通常の雁行陣による試合展開、サービス側の選手がコートの真ん中に縦に並んでサーブを打ち、リターン側を惑わすアイ・フォーメーションなどサーブを打つだけでも様々な状況が考えられます。対してリターン側もクロスに返してサーバーの足下に沈める、前衛にストレートアタックをぶつける、ロブで相手の頭を抜いてリターンからネットにつくなど、相手のサーブに対する応えも豊富です。「このペアはこのポイントで何をするつもりなんだろうか」という観点でダブルスを観ると面白いです。

● プレーにスピード感がある(主に男子ダブルス)

僕のダブルスが好きな最大の理由はここです。
シングルスでナダルやジョコビッチが繰り広げる息が詰まるようなロングラリーを観るのももちろん好きです。しかし、ダブルスでサーブ→ポーチでポイントが決まっていくシーンや4人全員がネットについた際に繰り広げられるボレーボレーにはスピード感が溢れています。これもダブルスの魅力の1つでしょう。


以上、僕が思うダブルスの魅力を長々と書き連ねてきました。しかし、文章を読むよりも実際にプレーを観てもらった方が魅力を分かっていただけると思います。有名動画サイトで「tennis doubles」とでも検索してもらえればいくらでもプロの動画が出てきます。少しでもダブルスの注目度が上がりますように!



内容に間違いがありましたら、コメントを頂けたら幸いです。よろしくお願いいたします。

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