【大学院】研究室生活で身についた能力4つと身につかなかった2つの能力【理系】

こんにちは。
日曜日も終わってしまいますね。
僕はまだ社会人1年目のひよっこのため、幸いにも仕事を辛いと思っていません。
憂鬱さは社会に出て何年も経っている方々に比べるとそんなに大きくないと思います。()

さて、改めて書きますが、僕はこの春に晴れて大学院を卒業して労働者になりました。
最近ようやく新入社員として技術開発に携わらせていただけるようになってきました。
実験結果と考察を職場の方々に報告する機会があって、色々とコメントをもらうことがあるのですが、その過程を含めた企業での仕事の中で、「大学院生活で身に付けた能力って何だろう?」と考えることが増えてきました。

そこで今回は自分の振り返りも兼ねて研究室生活3年間(学部4年生+修士)で身についた能力4つと身についていなかった能力2つを
・なぜ身についた(身につかなかった)と感じたか
・どのようにして身についたか(なぜ身につかなかったか)
の観点から書いていきます。

以下の状況におかれた人間が考えていることであるという前提で読んでください。
・理系大学院卒(実験物理)
・メーカー開発職1年目(研修終了、現在部署への配属直後)


【身についた4つの能力】

まず、研究室生活で身についたと思う能力について書いていきます。

①スライド作成能力

・なぜ身についたと感じたか
 先輩方にスライドを何度か褒められたため。また、先輩方の発表資料を見て「クオリティー低いな」と感じると同時に具体的な改善点を上げられるため。
・どのようにして身についたか
研究室のゼミに、学会・研究会での発表を行う際に資料作りをする中で身についたと思います。自分で一通り作った後に先輩・後輩そして教授にフィードバックをもらうことでスライドを改善していく作業を年中続けていました(ゼミはフィードバック会みたいなものですしね)。「文字が小さいよ」、「黄色は見にくいよ」など、細かいことですが指摘されたことは山のような数になります。(コツみたいなものをこの記事に書く気はありません。「スライド 作り方」とでも調べればいくらでも出てきます。)

大学院ではスライドなしでゼミや研究発表をすることはほとんどありません。資料を常に良いものにしていこうという姿勢、そして色々な方からもらえるフィードバックを謙虚に受け止める気持ちを忘れなければスライドを作るのが上手くなると思います。

②プレゼンテーション能力

・なぜ身についたと感じたか
事業部に対する研究紹介や週報会での報告で特に緊張することなく話すことができたため。また、先輩方から「プレゼン上手いね」と言われたため。
・どのようにして身についたか
学会発表を繰り返す中で身につきました。僕は修士2年間で外部向けの口頭発表を合計で7回(学会3回、研究会4回)行いました。学会での口頭発表3回というのは平均よりも少し多い程度でしょうか。それでも100人を超える聴衆を相手に10分程度の発表を行うのにはある程度の度胸が必要です。初めての発表(修士1年夏)と最後の学会での口頭発表(修士2年夏)では度胸がついたのか、緊張度がまるで違いました。当然ですがどちらの場合も練習は繰り返しました。しかし、徐々に緊張をしなくなっていくのを感じました。
そのような精神的な面に加えて、発表の流れを作り出す能力も向上し、少ない練習回数で発表の流れを作ることができるようになりました。指導教授に「発表はストーリーだ」と何度も何度も言われた結果でもあります。

論文投稿まではいかなくても学会で口頭発表を行うのは理系では当たり前です。発表する能力は、理系修士卒であれば多くの方が持ち合わせていると思います。人前で話すのが苦手な方でも発表のチャンスから逃げずにいれば、大学院を卒業するころにはそれが克服されることでしょう。

③体力

・なぜそう感じたか
22時まで残業しても何とも思わなかったため。(これはメリットといえるのかどうかわかりません…。)
・どのようにして身についたか
マシンタイムをこなす中で身につきました。僕が所属していた研究室は5つ以上の研究グループを抱えていました。それらのグループが23週の間に交代で実験を行うため、短時間で可能な限り多くの、かつクリティカルなデータを取る必要がありました。よって朝から晩まで実験・解析を行う日々が続きました。僕はこの研究室のスタイルは間違いなく悪いと考えていますが、その悪い状況の中でも精神的な体力を身に付けることができたのは収穫です。

世の中、体も心も体力勝負です。別に100時間残業させられるわけではありません。ただ、慣れない環境に放り込まれて体調を崩さない、落ち込んだりしないためには体力をつけておく必要があります。実験屋になる方は妥協せずに実験を続け、体力もつけていきましょう。

④英文を読む力

・なぜ身についたと感じたか
純日本人の僕が特に勉強もせずにTOEIC 750点くらいとれているため。(これを高いとみるか低いと見るかは人それぞれでしょう。)
・どのようにして身についたか
英語の論文を読んで理解しようとする中で身につきました。
研究をするには自分の研究内容の位置づけを知るために論文調査を行う必要があります。学術論文は基本的に英語で書かれているため、研究をするには英語を読むことを避けられません。それに加えて、一般的な大学院生の論文を読む本数は2桁では収まりません。僕もその例に漏れず膨大な量の英文を読んできました。そのおかげで現在の僕は英文を読むことに対する抵抗を持っていません。

英語能力の中で読む力は最低限持ち合わせるべき力ですが、真面目に研究をしていれば自然と身についていくことと思います。

【身につかなかった2つの能力】

次に、仕事をしながら「意外とこの能力は身についていないな」と感じることについて書きます。
①実験結果に対する仮説検証能力
・なぜ身についていないと感じたか
報告会で先輩の発表を聞く中で、企業の研究開発が徹底して仮説→検証の流れで行われていることを理解し、そのスタイルを新鮮だと感じてしまったため。
・なぜ身につかなかったか
僕の研究が仮説→検証の流れになっていなかったためです。めちゃくちゃ実験を頑張ってデータを取って、その結果から面白い物理現象を拾い出す、というのが僕の研究スタイルでした。また、少し言い訳がましくなりますが、仮説を立ててもそれを十分に検証できる実験設備もありませんでした。

研究は仮説→検証の流れでやるべきです。大学院でこれが身につかなかったにもかかわらず、このことに社会人1年目で気がつくことができたのは幸運でした。この記事を読んでくれた大学院生はご自分の研究が仮説→検証になっているかを今一度振り返ってみてください。

②学部レベルの専門外の知識
・なぜ身についていないと感じたか
 仕事に必要な知識を学んでいる中で「この単語知っているけれど、説明はできないなー」と感じることが多々あるため。
・なぜ身につかなかったか
 大学院では研究とゼミに必要のない知識は積極的に学ぼうとしなかったためです。余裕がなかったこともありますが、僕の中で「実験をやる意欲」に比べて「知識の幅を広げようという意欲」が大きく劣っていたことが根本的な原因です。

 知識はいつ必要になるかわかりません。特に修士で就職する場合は研究・開発職に就くことが多いと思いますが、専門外のところに放り込まれやすいです。余裕があれば、学部レベルの知識を広く浅く復習しておくことをお勧めします。


 以上です。コメント・質問などありましたらよろしくお願いいたします。
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