理系大学生に贈る「研究室の選び方」

こんばんは。
今日は木曜日です。明日が終われば週末、僕はももクロのライブという楽しみがあるので、明日も仕事を頑張れます。

さて、今回は大学院を卒業した僕から今後研究室を選ぶ大学生の皆さんに向けて「研究室の選び方」を書いていきます。

当然、選ぶべきはやりたいが研究できる研究室です。大学院は研究をするところですからね。ただ、大学院生活を充実したものにし、大学院に入ってよかったと卒業後に思うためには研究室が持つ「付加価値」(=「研究ができる」以外のメリット)に着目する必要もあると思います。
 このような観点で研究室を選ぶのは好ましくないという意見もあるかもしれませんが、どの研究室に行こうと研究を一生懸命やることを前提として書いていますのでご容赦ください。
僕の中の優先順位が高いものを上から書いていきます。

●コアタイムがあるかどうか

生活の自由度に関わってきます。
コアタイムとは「研究室(大学)に必ずいなければいけない時間」のことです。これがあるかどうかは完全に教授の方針次第です。コアタイムの有無については双方にメリットがあります。

【コアタイムがあることのメリット】
・生活のリズムができる
900から1700までコアタイム」と決まっていれば、嫌でも900には来ないといけません。朝起きる習慣が身につくというわけです。
・学生が全員いる時間が長いのでコミュニケーションを取りやすい
コアタイムがない研究室は生活リズムが人それぞれなのでなかなか全員が揃うことがありません。

【コアタイムがないことにメリット】
・自分のペースで生活できる
時間に縛られることが少ないため、「午前中は家で英語の勉強をして午後から研究をする」、「木曜日の午後はアルバイトをする」、「マシンタイムが終わったから3連休を取る」といったことを自分の判断でできます。研究以外の生活も充実させたいのであれば、メリットになるのではないでしょうか。
・コアタイムだけ何かやっていればいいわけではないので自主性がつく
コアタイムがあると「この時間だけ何かをやればいい」という思考に陥りがちです。それに対してコアタイムがない場合は「研究を進捗させる」ことだけが目的となるため、自分で計画を立てて作業を進めていく必要があります。自由に使える時間が大きいため、自主性に任される部分も大きくなるでしょう。


●就職活動を自由にやらせてくれる研究室かどうか

大学院を修士で終えようと考えている方はぜひ確認してほしい項目です。
就職活動は人生の大きなウェイトをしめる「仕事」を決める重要なイベントです。ここに集中できず満足のいく結果を残せなければ後悔します。どうせなら全力でやりたいところです。ここに教授の束縛が入ると就活に力を入れにくくなると思います。もちろん、就活中に研究をさぼれと言っているのではありません。ただ、就活が忙しい時期にも研究にかけるパワーを落とすことを許してくれない研究室に入ることはお勧めしません。
 僕の場合は自由な雰囲気の研究室に所属しており、かつ就活開始前に研究を先回りして進めることができたため、就活中は研究をほとんどやりませんでした。そのような行動を許してくれる研究室でよかったと考えています。

 ●予算(外部資金)をたくさん持っている研究室かどうか

「お金があるかどうか」は非常に重要な観点です。
外部資金を持っている研究室というのは以下の利点を備えていると考えてよいでしょう。
▸アクティブに研究を行っており、業績もそれなりに出せる可能性がある。
研究成果を出せる、出せそうでなければ外部資金を取ることはできないと思います。
▸教授のプレゼンテーション能力が高い。
先述の研究成果の可能性を魅力たっぷりに伝えることができなければ資金は下りません。
▸実験設備の増設をしてもらいやすい、物資には困らない。
「この実験をやりたい」といってモノを増やしてもらえるかどうかはお金があるかどうかにかかっています。実験の自由度を上げるためにもお金がある研究室に所属していたほうがよいでしょう。
▸学会参加の費用を援助してもらえる可能性が高い。
お金がない研究室では学会にかかる費用(旅費、交通費)が自腹か、援助が一部しか出ない場合があります。

研究費は当該年度に使い切らなければならないものが多いため、お金に余裕がある研究室は学生への援助に回してくれる可能性が高くなります。


●学会に参加するための費用を援助してくれるかどうか

1つ前の項目と少し重なりますが、こちらは教授の方針にも関わってきます。お金があっても援助をしてくれない教授もいます。国外で行われる学会となれば旅費と宿泊費だけで10万円以上かかってしまう場合もあり、大学院生にとっては大きな負担になります。逆にこれを負担してもらえれば自己負担ほとんどなしで海外に行けるということになります。この違いは大きいでしょう。
ちなみに僕の指導教授は旅費+宿泊費を援助する方針だったので、国内外様々なところの学会に行かせてもらえました。もちろん自分の発表はしていますし、ほかのグループの発表も聞いていますよ。ただ、普段行くことのない土地を観光する時間もありましたし、食事はおいしいものを食べに行けました。

 ●大学院生が所属している研究室か

大学院生が一人もいないような研究室はお勧めしません(教授が着任してきたばかり、という場合は除く)。
誰も大学院進学時にその研究室を選ばないということは、誰もよい印象を指導教授に持っていないということですよね。また、いわゆる先輩の存在はとても大切で、授業のレポートをもらえたり、ゼミの力の入れ具合を教えてもらえたり、教授に関する愚痴を言ったりと生活していくうえでとても頼りになる存在です。
先輩の有無は絶対に確認すべきでしょう。

 ●実験室がたくさんある研究室かどうか

マシンタイムに影響します。これが少ないと実験室をシェアする割合が大きくなり、実験ができる回数が少なくなります。僕がいた研究室は実験室を5つのグループでシェアしていたため、20日前後実験して2か月待つといったサイクルを繰り返していました。つまり、検証したいことをすぐに検証できないわけです。やりたいときにすぐに実験ができないのは不利だと思います。たくさん実験をやりたいのであれば、実験室をたくさん持っている研究室を選びましょう。


●教授が実験を行う研究室かどうか

教授が実験に参加してくる研究室であれば大学院生の負担(=後輩の実験指導)が少なくなります。僕が所属していた研究室では、基本的に教授は実験を行わないというスタンスだったので、後輩の実験指導は大学院生が行っていました。これが結構な負担になっていたのです。修論を書いている間に学部生の実験のトラブルにも対応していました。自分に指導力はどんどん高くなるというメリットもありますので、この点に関しては好みが分かれるところだと思います。

 ●プログラミングが研究に必要なテーマを持っているかどうか

プログラミングは卒業後に研究・開発職またはSE職に就くなら、汎用的に役に立つスキルの1つです。情報系が専門でなくとも、シミュレーションやデータ整理、自動測定などを行うのにプログラミングを積極的に利用している研究室を選び、「プログラミングを学ばざるを得ない」状況に身を置くとよいでしょう。その場(=研究室生活)で必要ないことを学ぶより、何かモチベーションがあって学ぶ方が身につくのが早くなると思います。



書いてみると結構たくさん観点がありましたね。ただ、どれもぜひ確認してほしい項目ですので、直接研究室に聞きに行ったり、学生実験のアシスタントの大学院生に質問をしたりしてぜひ調査してください。

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